2020年秋から開始しました設立20周年記念企画の卓話シリーズも無事に最終回の第6回を終えることが出来ました。
これもひとえに、登壇された講師の皆様、沢山の他クラブや支援先の皆様方のご協力とお励ましがあってのことと感謝申し上げます。
最終回は、ローズデイ(=国際女性デイ)に相応しい、困難を抱えた女性支援のしくみをテーマに、長年、女性支援法について研究されてきた、お茶の水女子大学名誉教授、戒能民江先生にお話し頂きました。
66年前から殆ど改正ないままの現行法と婦人保護事業の課題、それを是正するために、今緊急で成立を目指している、困窮する女性達を支援する新しい法案について、具体的に分かり易くお話し頂き、貴重な学びとなりました。
その後、弁護士で、カリヨン子どもセンターの前理事長である坪井節子先生からお話を伺いました。
当事者とセンターが繋がった後も、一度深く傷ついた性暴力被害者の立ち直りには相当な困難がある現実を伺いました。
フロアからも、実際に相談員やケアマネージャーなどの支援する現場で感じる疑問など、非常にリアルなご質問と共に現状を知ることが出来ました。
またドイツ在住会員の方からは、半年間ロックダウンが続いたヨーロッパでは、家庭内暴力がエスカレートし、薬局で「マスク19」の合言葉で、警察に通報する仕組みが市民の知恵から生まれたことなど興味深く伺いました。
最後に、「新法制定」と言う大きな一歩を踏み出すために、私達に出来ることを戒能先生からお話し頂きました。
まずは私達自身が困窮する若年女性達の実情を正しく理解し、指導ではなく支援の考え方を周りの人にも伝えていくこと。
国は、今後も支援事業は民間団体に委託するので、支援団体への経済的援助、そして自治体による格差が大きいことから、地元の自治体や、議員さんに市民の声として補助金制度や増額などを働きかけることなど、具体的な後方支援の仕方をご示唆頂きました。
私たちに可能な奉仕やアドボカシー活動を考えて行く良い機会となったのではないかと思います。
新しい女性支援のしくみを目指しながらこれからも地道な活動を続けていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
東京Ⅲゾンタクラブ会長 片桐典子
戒能民江先生
坪井節子先生
片桐典子会長
東京Ⅲゾンタクラブ設立20周年記念企画 Vol.6
【困難な問題を抱えた女性たちの支援をめざして】
~婦人保護事業から女性支援法~
2020年秋から始めた卓話シリーズも6回目を迎えます。これまで『現代の若い女性の社会問題に取り組むユースの活躍』、『低年齢化する性被害から守る人権教育としての正しい性教育の必要性』、『若い妊婦達の苦悩や孤立に寄り添う支援活動』、『里親経験者が見た子どもの家庭環境や親子関係』、『医療的ケア児とその家族をまるごと支援するBuranoの事例から医療的ケア児支援法の解釈を調整し国を動かした道筋』の卓話を通して、求められる支援のあり方や現場の課題等を伺う中で、私達にも出来ることを模索してきました。シリーズの締めくくりとなります今回はローズデイ企画に因み、コロナ禍により顕在化した困難な問題を抱えた女性達を支援する上で、新たな支援制度が必要とされている現状を、女性支援新法の成立に尽力されている、法学者の戒能民江氏にお話しいただきます。必要な女性支援や新法の実現に向け、改めて考える機会としたいと思います。
東京Ⅲゾンタクラブ会長 片桐 典子
日 時: 2022年3月9日(水)19:00~20:30 (講演40分、質疑応答40分)(18:50より入室出来ます)
参加費: 1,000円
場 所: ZOOMにて
申込み&振込み完了後、Zoom URLとID、パスワード等を
ご指定のメールアドレスにお送り致します。)
募 集: 40名 (先着順)
【戒能 民江(かいのう たみえ)氏プロフィール】
お茶の水女子大学名誉教授
専門はジェンダー法学,女性に対する暴力研究
性暴力禁止法ネットワーク共同代表・女性と人権全国ネットワーク共同代表
ジェンダー法学会理事長,女性学会代表幹事などを歴任
近著:
『危機をのりこえる女たち』(編著)2013
『婦人保護事業から女性支援法へ』(共著)2020
『官製ワーキングプアの女性達』(編著)2020
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3月の例会の様子
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